Apple Music 100ベストアルバム

@@artist_name@@のアルバム『@@album_name@@』のカバー画像。

Homogenic

ビョーク

45

最先端のテクノとオーケストラの見事な融合が、世界を揺るがした。

「私はハンター/獲物を持ち帰ってみせる(I’m the hunter/I’ll bring back the goods)」と、ビョークは『Homogenic』の不気味かつ軽快なオープニング曲で厳かに歌う。実際、アイスランドのスーパースターである彼女は、3作目となるアルバムで最先端のテクノとオーケストラを見事に織り交ぜてみせた。歌詞に宿る切迫感がリアルなのは、熱狂的なファンから手紙爆弾を送り付けられたことが大きく報道されるなど、彼女は私生活での一連の出来事に深く傷付いていたからだ。そうした緊張感は、壮大なストリングスに乗せて「私は女の子の姿をした、血を吹き出す泉(I’m a fountain of blood/In the shape of a girl)」と歌う「Bachelorette」や、心の救済と緊急事態をテーマにした魅惑的なバラード「Jóga」などの曲にはっきりと表れている。

「あのアルバムを聴いて初めて、ジャンルがない音楽ってあるんだと思った」

Empress Of

このアルバムはすぐにあらゆる業界の人々を魅了した。トム・ヨークが「Unravel」を史上最も美しい曲に挙げたのは有名な話で、レディオヘッドは2007年にこの曲を恭しくカバーしている。そして「Alarm Call」のミュージックビデオの監督を務めた伝説的ファッションデザイナーのアレクサンダー・マックイーンは、アイデアを事細かに記した100ページにも及ぶプロットを提出したほど熱狂的だったと伝えられている。エレクトロニックミュージックとオーガニックな芸術性を融合させ、聞き慣れない音程で歌われた『Homogenic』は、もはやモダンクラシックと呼べる忘れがたいアルバムだ。