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I Put a Spell on You

ニーナ・シモン

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どんなスタイルも変幻自在に操ることができる、唯一無二の表現者の極み。

『I Put a Spell On You』は、ニーナ・シモンの最も成功したアルバムの一つであり、Screamin’ Jay Hawkinsの荒唐無稽なロッククラシックを、重厚なストリングスを使ってメロドラマのごとく感傷的にカバーしたアルバムタイトル曲「I Put a Spell On You」は、彼女のデビュー以来、最大のヒットシングルとなった。しかし、最終的に、アルバムで最も知られる曲となったのは、「Feeling Good」だった。ホーンセクションとオーケストラというビッグバンドを伴奏にしても、ミュージカルの楽曲のように再構成されたニーナ・シモンの歌唱力は見事という他ない。この曲は、元はあまり知られていないマイナー調の祝賀曲だったのだ。

「彼女にかかれば何でも本当にできてしまう」

ブリタニー・ハワード

ニーナ・シモンは、異なるタイプの楽曲に彼女自身の解釈を加えることで、“ジャズシンガー”という、幾分限定的な枠にはめられることに抵抗した。“ポップシンガー”という呼び名が最適だとは言いがたいが、どんな派手なオーケストレーションが重ねられても、彼女の音楽的な鋭さに決してブレがないことがそれを証明している。ニーナ・シモンは、他のシンガーの歌い方に決して影響されない、単純に唯一無二の表現者だった。「Beautiful Land」のようなミュージカルナンバーでも、一時的なシャンソン歌手に変身する「Ne Me Quitte Pas」でも、そして「Gimme Some」のような親しみやすいR&Bソングをさりげなく歌っても、彼女の音楽は同じように心地よく、同じようにいつまでも彼女らしいのだ。