怒りとは才能だ。
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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのファーストアルバムが郊外に住むキッズに、チェ・ゲバラの存在や、あるいはマーティン・ルーサー・キング牧師がベトナム戦争に反対したせいでFBIの標的にされていたことを教えたという事実は興味深いものがある。ニルヴァーナの『Nevermind』といった1990年代における他のアルバムが、アンダーグラウンドのスタイルをメインストリームにもたらしたのに対し、レイジが持ち込んだのはウェザー・アンダーグラウンド(別称ウェザーマン、1970年代にアメリカで活動した左翼の過激派組織)だった。
『Rage Against the Machine』は、インスピレーションの源となった革命派やMC、ハードロックと同様に、激しい怒りに満ちたアルバムだ。「Killing in the Name」での「警官の中には/十字架を燃やす連中と同じ人間がいる(Some of those that work forces / Are the same that burn crosses)」や、「Freedom」の中の「怒りとは才能だ(Anger is a gift)」など、長く語り継がれる歌詞には抗議のスローガンとして瞬時に記憶に残る力がある。その即時性は彼らのメッセージのメタファーであるだけでなく、言葉を広め、人々の手に力を与えるための一つの方法だといえる。ジムで自分を鼓舞するBGMにも、大学の授業を選ぶ指針にもなり得る希少なアルバムだ。